冬の札幌に、あいみょんの歌声が響いた。2025年1月8日と9日の2日間、北海道立総合体育センター・北海きたえーるで開催された「AIMYON TOUR 2024-25 "ドルフィン・アパート"」北海道公演。寒さが厳しいこの季節に、全国から集まったファンたちが会場を埋め尽くした。このライブがなぜここまで話題になったのか、何がそれほど人々を惹きつけたのか。その全体像を丁寧に紐解いていく。
「ドルフィン・アパート」とは何だったのか
「AIMYON TOUR 2024-25 "ドルフィン・アパート"」は、デビュー8周年を迎えたあいみょんが、全国15会場・30公演にわたって行った大規模なアリーナツアーだ。タイトルに込められた意味が深い。"アパート"とは"居場所"のこと。あいみょんとファンが音楽という名の"共同生活"を送る空間として演出されたステージは、単なるコンサートとは一線を画す独自の世界観を持っていた。
"ドルフィンアパート"というひとつの空間を舞台に、あいみょんがファンとコミュニケーションを図りながら進行するアットホームかつユニークなコンセプトのライブが話題になった。そして来場者には、オリジナルの「ドルフィンアパート入居者証」が配られた。ただ曲を聴きに行くのではなく、その"部屋"に招かれる感覚。そこにこのツアー最大の仕掛けがある。
札幌公演の基本情報
札幌公演は2025年1月8日(水)と9日(木)の2日間にわたって開催された。会場は北海道立総合体育センター(北海きたえーる)で、開場17:30、開演18:30という各日共通のスケジュールだった。チケットは指定席9,000円(税込)で、未就学児の入場は不可とされた。
北海きたえーるは、札幌市豊平区に位置する道内屈指のアリーナ施設だ。収容規模が大きく、コンサートから格闘技まで幅広いイベントを受け入れてきた実績を持つ。あいみょんの札幌公演にとって、この会場はすでに"定番の舞台"になりつつある。平日2日間という日程にもかかわらず、チケットは早い段階から動き、熱量の高さを証明した。
ライブの雰囲気とファンの反応
実際に参加したファンたちの声は、SNS上でどこも熱気にあふれていた。「初あいみょん!言葉にできないくらい凄かった。幸せな時間をありがとう!」という感想をはじめ、「席が奇跡的に近くて絶対目合ったなって言い聞かせてる!まじでお顔小さくて細くて愛嬌満載ですごい可愛かったしトーク面白かった」というファンの声も広がった。
「MCも関西人だから盛り上がってー☝️」という参加者の声が象徴するように、あいみょんのMCは独特のテンポとユーモアで会場を一体化させる力がある。関西出身らしい軽快なトークは、堅苦しさを排除し、まるで友人と話しているような空気を生み出す。これもまた、"ドルフィン・アパートの住人"として招かれた感覚を強めていた。
あいみょんのライブは大きく「バンド編成の全国ツアー」と「アコースティックギター1本の弾き語りライブ」に分かれる。ドルアパ公演はバンド編成によるフルスケールのライブであり、音の厚みと演出のスケール感は、弾き語りとはまた異なる迫力があった。アリーナ全体を包み込むようなサウンドは、北の大地の寒さを忘れさせるほどの熱量を持っていたと、多くの参加者が語っている。
ツアー全体が持つスケールと背景
「ドルフィン・アパート」ツアーは全42公演を展開した、あいみょん最大規模のツアーとなった。大阪城ホール、さいたまスーパーアリーナ、マリンメッセ福岡など1万人規模の大型会場で開催され、最新アルバム「猫にジェラシー」を軸に構成された、新曲と代表曲を織り交ぜたバランスの良いセットリストが特徴だった。
このツアーはさらに海外公演も含む国際的な規模に拡大し、ソウル(韓国)・台北(台湾)でも公演が行われ、あいみょんの海外人気の高さを証明する重要なツアーとなった。国内だけにとどまらない広がりは、日本語詞で歌われる彼女の楽曲が、言語の壁を越えて届いていることの証左だろう。
2018年のライブハウス中心の時期から、2019年のホール・武道館、2020年以降のアリーナ規模へと、あいみょんのライブ規模は年々スケールアップしてきた。その軌跡を辿れば、今回の札幌公演がいかに特別な地点に立つ公演だったかが理解できる。小さなライブハウスからアリーナへ、その成長の速度は並の表現者では到底追いつけないものだ。
2026年3月、札幌にまた帰ってきた
2026年3月31日、あいみょんは再び北海道に戻ってきた。「FAN CLUB TOUR 2026 "PINKY PROMISE YOU vol.2"」と題したファンクラブ限定ツアーの一環として、札幌文化芸術劇場での公演が行われた。アリーナ規模とは異なる、より親密な空間でのライブ。"指きり"を意味するタイトルが示す通り、ファンとの深い絆を確かめ合うような特別な夜だったという。
約4年ぶりとなるファンクラブ限定ツアーで、"PINKY PROMISE=指きり"というタイトル通り、ファンクラブ「AIM」との強い絆を祝う特別なステージとなった。アリーナの大きさとは違う、こぢんまりとした会場で行われたからこそ、見えてくるものもある。表情、目線、わずかな仕草。アリーナでは届かない距離感が、ここにはある。
あいみょんの音楽が北海道で響く理由
あいみょんの歌詞は生々しいほどにリアルだ。恋愛の痛さ、孤独の質感、ちょっとした日常の歪み。それらを飾らない言葉で描くから、聴く人の胸に直接刺さる。独特の言葉選びとリアルな感情描写で幅広い世代から支持される人気シンガーソングライターとして、今や日本の音楽シーンを代表する存在になったが、その根底にある「生活感のある詩情」は変わっていない。
北海道のファンにとって、あいみょんのライブは特別な意味を持つ。東京から遠く離れたこの地で、全力のステージを届けてくれること自体が、すでに一つのメッセージだ。主要な会場が東京・大阪・福岡に集中しがちな日本の音楽シーンで、北海きたえーるという北の地を毎回ツアーに組み込んでくれるアーティストへの信頼は、年を追うごとに厚くなっている。
チケット・グッズ情報と会場アクセス
グッズ販売については、会場によって列の長さや売り切れの状況にかなり差がある。一部の会場では長蛇の列が形成された一方、比較的スムーズに購入できた公演もあった。札幌公演に向けて参戦を考えているファンは、早めに会場へ向かい、開場前からグッズ列に並ぶ準備をしておくのが得策だ。特に初日は混雑が予想されるため、余裕を持ったスケジュールが重要になる。
北海きたえーるへのアクセスは地下鉄南北線「中の島駅」から徒歩約5分と比較的良好だ。ライブ終演後は周辺に飲食店も多く、遠方から訪れるファンにとっても過ごしやすいエリアといえる。ただし、冬季の北海道公演は交通機関の遅延・積雪リスクがある点を忘れてはいけない。新幹線や飛行機を利用する場合は、余裕のある行程を組むことを強くすすめる。
今後の札幌公演に向けて
2026年11月で10周年を迎えるあいみょんは、自身初となるベストアルバム「AIMYON BEST ALBUM - 唇を追え! -」の発売も決定した。節目の年を迎えるにあたり、今後どんな形で全国のファンの前に姿を現すのか、その期待は大きい。10年という時間が重なったセットリストを引っさげて、再び北の大地に来る日もそう遠くはないだろう。
メジャーデビュー10周年を記念した大規模な全国アリーナツアーも2026年から2027年にかけて展開されており、あいみょんの活動はとどまる気配がない。10年間で積み重ねてきた楽曲の数、ライブの記憶、そしてファンとの絆。それらが一度に集約されるような公演が、また札幌で実現することをファンたちは静かに、しかし熱く待ち続けている。
あいみょん 札幌ライブ まとめ
あいみょんが札幌で作り続ける記憶は、単なるコンサートの記録ではない。冬の寒さの中、会場の熱気に包まれながら聴いたあの曲が、いつまでも心の中で鳴り続ける。「ドルフィン・アパート」というコンセプトが証明したのは、音楽が生み出す"居場所"の力だ。チケット争奪戦を勝ち抜いた人も、残念ながら参加できなかった人も、次の札幌公演を楽しみに、今から情報をチェックしておくことをお忘れなく。あいみょんは必ず、また北海道に来る。